渋谷での出会いとモジモジと
2019年2月、ポケットマルシェが渋谷ヒカリエで開催したイベントでたくさんの生産者さんにお会いして、今日淡路島から渋谷に来て今日これから淡路島に帰るのだという平(たいら)さんの、そのあまりの弾丸ツアーぶりと、その日はまたお天気もよくなかったものだから、「とにかくお気をつけてお帰りください!!」とお伝えしてから早2年。
平さんのお野菜セットは、いつもべらぼうにお得な価格設定なので、そんなわけないんだけども買えば買うほど赤字にしてしまうのではないかという気がしてモジモジしてしまい、「顔のうかぶ生産者さん」なのに、お願いしてこなかったわけです。
けれども、同じくポケットマルシェ黎明期からポケマルユーザーで、わたしのポケマルの母:はつみんさんが「おいしい!」というので、興味がモジモジを凌駕して、お願いしたのがほんの最近のこと。そして、瞬く間に平さんのお野菜は我が家の野菜室の常連様へ移行。
リピートの秘密
あっという間にリピートに至った理由は
- 端正
- 自己主張できる
- ①×②=「おいしい」
の3つが要因。
①の「端正」、なにも「規格」の話ではなくて、とにかくすっと佇まいが美しい。美しくなくてはいけないとも思わないけれど、そのためにたくさん気を使ってこられたのだろうと思うし、「美しい野菜」が放っておいてできるものだとは思わないから、美しく育てたいと思ってそう育成してきた平さんの気持ちとプロ意識のようなものがわたしは好き。
②の「自己主張」。
なにを言っているのだと思われそうだけれども、「整っていて静かな野菜」と、「整ってはいるけれども主張してくる野菜」が世の中にはある。
平さんお野菜は明らかに後者で、べっぴんさんだけどちゃんと味がして「あ、そんな調理やめてんか、わたし○○やねん」
「できればシンプルな調理でいける食材とあわせてんか、わたしあんまりゴテゴテ手ぇかけていらんねん、何でかわかるか?おいしく育ててもらったからや!」とまぁそんな具合に、淡路島ご出身なだけに「関西弁」で主張をする子、それが平さんのお野菜。
③端正だから美味しいのとは違うかもしれないし、主張する食材が必ずしも美味しいかといえばその限りではないけれど、端正で自己主張のできる食材は、今のところ100%「おいしい」。
規格外のお野菜も果物も美味しい。でも、「規格外のお野菜や果物こそが」美味しい、とならないのも事実で、規格云々の功罪はさておき、とにかく平さんのお野菜は端正かつ自己主張できるので、わたしにとって最高に美味しい。
キャベツかグリーンボールか、結球系の新鮮な

数日前、平さんにお願いしたのは「キャベツ」で、でも「キャベツはなくてグリーンボールなら」と言われ、なんだそれはどう違うのだと慌てて両者の違いを調べつつ、キャベツと「グリーンボール」が仮に似ても似つかぬものであったとしても、平さんのお野菜ならいっか、ということでお願いした、今回のグリーンボール。
はりはりと新鮮なグリーンボール、外周の比較的堅牢な葉も、内に秘めた柔らかくて繊細な葉も両方を余すことなく楽しむにあたり、やっぱりなんというか、これはもう「一玉」の単位で結球系野菜を受け取ったときの通過儀礼、「ロールキャベツ」に。
グリーンボールなので「ロールキャベツ」より葉の一枚が小さいのだけれど、その分グリーンボール比率を高く仕上げて、とはいえそれでも、繊維のやさしいグリーンボールはふわふわで味が強い。
巻き込む肉だねは、同じく「おとなしそうに見えて高速パンチ系」食材、その玉座におわしますデュロック豚に、平さんからの新たまねぎの炒めたのを練りこんで。いろいろ試行錯誤したけれど、これ以外は要らない。
好きな食材に共通するフィロソフィパンチ
これ見よがしに校則違反をして耳目を集めるではないけれど、話してみたら芯が強くて自律していてすんごいパンチの効いた哲学もってる、そんな「別格」だった友だちを見ている気分。
平さんのお野菜もデュロック豚も、つまるところはそういう存在で、見た目のインパクトで目立ちにいくこともなかったけれども、しっかりとした思想や哲学のあるわけでもないまま大人になった、ぼんやりと意志薄弱なわたしは、こういう食材がとても好き。
今年は通年でお世話になると決めている、平さんのお野菜。